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BUSINESS

片牧 真之介 アクロスコーポレイション宝塚店

田舎から出てきて、うどん屋を目指すも挫折 責任の大きい仕事がしたくて不動産の世界へ

地元は、素麺の「揖保の糸」で有名な、兵庫県宍粟(しそう)市です。鳥取県と岡山県に接していて、山が多く、自然が豊かなところです。実家がうどん屋なので、小学生の頃から毎日、早起きして出汁をひいたり、うどん作りを手伝ってから学校に行っていました。しかし、父とは別の仕事がしたいと思い、教育大に入って教師を目指したんです。卒業後は、学校よりも自由な授業ができる、学習塾の講師になりました。子どもたちと一緒にキャンプをしたり、自然の中で遊んだり、楽しかったです。

その頃、両親が離婚して、母と一緒に神戸に出ることになりました。実は、神戸でうどん屋をやろうと思っていたんです。ところが、神戸に来てみたら、おいしいうどん屋さんがたくさんあって「こりゃアカンわ!」と、すぐに諦めました(笑)

コンピュータが好きだったので、コンピュータ関係の会社でしばらく働いたあと、ソフトバンクBB(株)の営業職に就きました。家電量販店でインターネットをおすすめする仕事です。そこで「営業って楽しいな」と思いました。しかし、結婚して子どもができ、もう少し責任の大きい仕事がしたくなったんです。売ったら終わりではなくて、もっと人と深く関われる仕事が。それで、不動産業界に入りました。




来社して15分で笑っていただく"が目標 接客コンテストで全国一位に

2000年にアクロスグループに入社してから、ずっと売買の仕事をしています。お客さまは最初、とても不安な状態で来られるんですよ。「だまされないか」「無理に買わされないか」と思われたり、「家は欲しいけど、不動産屋はハードルが高い」と感じていらしたり。ですから私は、お客さまにリラックスしていただけるよう、"来社して15分で笑っていただく"を目標にしています。人を笑わせることが好きなもので、お客さまに「今すぐ買わされるわけではなさそう」「この人なら相談しやすそう」と思っていただける雰囲気づくりをします。

おかげさまで、2015年にはセンチュリー21の接客コンテストで、全国一位になることができました。これは、接客のマナーやしゃべり方のスピード、タイミング、わかりやすさなどが審査されるコンテストです。私の「まずはお客さまと仲良くなろう」というスタイルが評価されて、とても嬉しかったです。




いい話だけでなく、失敗談もお話する 不動産屋としてよりも、同じ消費者として接していく

まずは、お客さまが何を求めているのか、しっかりお話を伺ってから、物件をご案内します。どちらかというと、不動産屋としてというより、同じ消費者としてお話させていただいています。私には子どもが2人いるので、自分の話しや過去の失敗談などをお話することも。もちろんそれだけではなく、プロとしてなぜこの物件がおすすめなのか、もしくはおすすめではないのかを説明して、アドバイスもいたします。

実は、入社して間もないころ、私が担当したお客さまで、ローンを組める額いっぱいで物件を購入された方がいらっしゃいました。そのときは、お客さまも希望の家を購入できて満足されていたのですが、3年後に、その物件を売りたいと再び来店されたんです。「子どもが2人生まれて、ローンの支払いが厳しい」という理由でした。そのとき、「これは自分のせいだ」と思ったんです。自分があのとき、しっかりお客さまのライフプランをお伺いしていれば、家を売らなくても良かったかもしれない。お客さまには、心から謝罪いたしました。完全に私の経験不足でした。

このことは、自分の中にずっと残っています。無理して高いものを買うのではなく、家族の将来像に合った家を買っていただきたい。そのためにも、お話をしっかり伺うことを大切にしています。




人生の節目に関われる仕事にプライドを持っている 購入後も困ったことがあればサポートしたい

不動産業は「家を買う」という、人生の節目に関われる仕事です。前職で売っていたパソコンとは、値段も違いますし、購入していただくことに対しての責任感も違います。だからこそ、やりがいは大きく、プライドを持ってやっています。お客さまが家を購入されても、それで終わりではなくて、何カ月かあとに「いかがですか?」とお伺いするんですよ。困っていらっしゃることがあれば、私にできることは、喜んでサポートさせていただきます。

でも一番は、お客さまに楽しんでいただくことですね。まずは不動産屋に来て「楽しいな」と思っていただきたいです。今、40代になって、私も若手を育てるポジションになってきました。それでも最後まで、現場でお客さまと笑っていたいです。生涯現役の営業でいたいですね!